現役訪問療法士の介護お役立ちブログ

住まいへ訪問するから見える、介護のリアル

【在宅介護】夫婦の在り方で介護の質が変わるかも?という話

現役訪問療法士です。

 

今の夫婦仲、大事にしましょうという話です。

 

訪問という仕事では、勿論ですがお家の中に入ります。

すると、色々と見えてくることがあります。

中でも、夫婦の在り方は現場で働いていると、

言わずもがな分かります。

 

と、同時に、同じような身体状況でも

生活の質に大きな差が出るケースに出会います。

 

この差を生んでいる要因は、住宅環境でも、

経済状況でもなく、「夫婦の関係性」

あるのではないかと思いました。

 

※ここではあくまでもイメージしやすいように、「夫」と「妻」で分けていますが、逆もあり得る内容です。

ある夫婦のことを今でもよく覚えています。80代の2人暮らし。

夫は会話はできるものの、ベッド上の生活、立ち座りは

介助をすればなんとかできるという状態。

デイサービスの利用、たまにショートステイなども

使っていました。

訪問リハビリも夫の方に入っていました。

 

簡単に言えば、生活全部に、常に妻が介護をする状態でした。

夫の身体機能や介護環境からも決して楽な介護

ではありません。(楽な介護などありませんが)

 

食事の介助、整容や更衣、トイレには行けないため

オムツでの排泄。体の大きさも違うため時間がかかり、

妻の負担は相当なもののはずでした。

 

しかし、このご家庭の雰囲気はとても穏やかでした。

私が訪問した時だけの、取り繕った雰囲気ではありません。

誰が見ても「しんどそう」と思える環境の中で、

なぜこんなにも穏やかなのか。

 

夫は多く話される方ではありませんでした。ですが、

「ありがとうさん」といつも言っていました。

 

妻もオムツ交換などの介護をしながら

「お父さん重たいんやって」と言いつつも、

余裕のある様子がありました。

 

あー、ここなんだなと。

スン、と腑に落ちた感じを鮮明に覚えています。

 

今でこそ男女平等の時代ですが、お二人の

年代的には「亭主関白な夫と、一歩下がってついて行く妻」

という夫婦の形が根強い時代を

過ごされてきているはずです。

 

元は自営業などをされていたお二人ですが、普段の

介護の様子から、お互いを支え合って

人生を歩んできたと思います。

 

結果として、

良好な関係を維持された延長に介護があったことで、

大きなトラブルとなることはなく、

在宅介護を続けながら毎日を過ごされていました。

 

この事例は、本当に上手に2人の生活に折り合いをつけながら

過ごされていたと思います。

 

そして、ここまでの記事を読まれた方ならなんとなく想像されているとおもいます。

 

 

お待ちどうさまです。

夫婦関係の悪いお二人の事例です。

 

 

 

 

とはいきません。

 

実は、一見すると在宅生活は問題なく、

介護をしている側にも不穏な様子はない場合にも、

関係性の違いによる問題が潜んでいるのです。

 

 

別のご家庭では上記でお話した事例とかなり似た身体状況でも、

全く違う経過をたどりました。

 

ここでも介護を受けているのは夫です。

妻は非常に熱心で、常に夫のことを気にかけていました。

 

介護にも手を抜かず、疲れていようが夫優先の生活でした。

妻は不思議と疲れた様子もなく、まさに介護をするときの

お手本のような妻でした。

 

ただ、その関わり方は「やってあげる介護」になっていました。

 

ベッド上の生活が主体ですが、夫は意思疎通ができる、

身体の残存機能もあります。

 

そうです。

できることも先回りして介助する

夫もそれに慣れ、

「お願いする」ことが増えて

いきました。

 

最初は安全面を考えての行動だったと思います。

 

しかし、想像がつくと思いますが、

夫の活動量は減少しました。

 

ということは、残されてた身体機能も

どんどん無くなっていきます。

 

身体機能の低下だけではなく、

「やってもらう前提」の生活に

変わっていったのです。

 

こうなると、妻の負担はむしろ増えます

 

 

ではなぜ、このような差が生まれたのか。

どちらの妻も、相手を思う気持ちは同じです。

違いがあったのは、

夫婦として築いてきた関係性でした。

 

前者の夫婦は、もともとお互いに役割を尊重し合う関係

ここは介護が始まっても変わらなかったのです。

 

後者の夫婦は、もともと妻が生活の何もかもを

「全部やってあげる」構図があったのだと思います。

 

そこには夫婦の関係性として、妻が夫を支えるというよりも

依存に近い形になっていたのかもしれないと考えています。

 

 

まとめ

今回は夫婦の在り方で介護の質、ひいてはその後も生活も変わるもしれない

ことをお伝えしました。

 

介護は突然始まるように見えて、実はそれまでの

夫婦関係の延長にあると感じました。

 

そして、訪問療法士として関わる中で、

目に見えている介護環境だけでなく、夫婦間の会話や距離感から

そのバックボーンを見るようにしています。

 

深く聞く必要も、根掘り葉掘り質問する必要もありません。

普段の生活の中で垣間見える一瞬から推察します。

 

そして自分の思考のなかで仮説をたてて、

最良の答えにたどり着ければと、

いつも思っています。

 

訪問療法士については過去記事で触れています!

日々の介護のお役に立つことができる仕事です。

 

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