
現役訪問療法士です。
退院前にこう言われていませんか?
「歩けますが、見守りや介助が必要です」
このとき多くの方が、
『動けるなら大丈夫そうなのかな?』と思います。
ですが在宅では、
歩ける人ほど転びやすいのが
現実なのです!!
今回は退院準備シリーズとして『移動介助のポイント』
をご紹介していきます。
過去記事では退院準備シリーズとして『排泄介助のポイントpart1、part2 』を公開しています。是非ご参考にしてください。
では早速いきましょう。
目次
1.結論 ここだけは押さえたい3つのポイント
まずはこれだけを確認します。
①一番危ない場面を知る
『倒れそうな場面はどこか?』
この場面が分かると次に、
『介助が必要か?』
『倒れそうな移動方法にかわる代替案は?』
『在宅の環境の調整が必要か?』
という判断に切り替わります。
病院スタッフや福祉用具業者と一緒に確認しておきましょう。
②移動場面で自立と見守りと介助に分ける
『自立』している状態は、目を離して
完全に一人の状態でも動作が
安全にできる状態です。
『見守り』は体に触れるような介助は
しなくてもいいけど、遠くまたは
近くのすぐ支えられる距離で
見ている必要がある状態です。
『介助(一部または全)』とは
手を引くことや脇を支える、
介助者が二人で移動を手伝うなど、
安全な移動にために体を支える
必要がある状態です。
③なるべく自立に近い形をとる
経験上ですが、冒頭でもお話したように
歩ける人ほど転びやすいのです。
動けば動くほど転びやすいという
状況になり、介護者側からすると
「危ないから立ったり、歩いたりはなるべくしないで」
という思考になりやすいです。
実際の介護現場では、この思考になることは
多いと思います。
ですが、
将来的に必ず体の力は落ち、動けなくなる日が
やってきます。
これは可能性ではなく、人間が老化する限り
絶対にやってくることと言えます。
「まだ動ける力があるけど、このまま一生寝たままでいいや!」
と思う方は少ないと思います。
そして、介護者としての思いは重々理解できますが、
過度に動きを抑制することは虐待になりかねません。
なので私の考えとしては、
初めから、なるべく自立に近い形で
移動できる方法を介護者の負担を考慮しつつ、
いろいろな専門職と話し合う。
ということを退院準備にしてほしいなと
思っています。
2.なぜ「歩けるのに危ない」のか?
理由はシンプルで、
病院と在宅は別物だからです。
在宅に帰った後の動きを想定して
リハビリをしますし、
病院の環境と似た形で在宅環境を
整えることもします。
しかし、全く同じ環境ではないのです。
退院した後、在宅生活がスタートした方で多いのが
退院直後の転倒です。
病院では『段差が少ない』『常に見守りがある』ような
環境だったことが、
自宅では『段差や家具が多い』『一人で動く時間がある』
といったように、
動く場所が変わったことや
在宅には転びやすい要因が多い
という理由があります。
同じ「歩く」でも環境による難易度が
全然違ってくるのです。
3.【家族向け】簡単なチェック項目
①転びそうな人の特徴
こんな様子があるときは近くで見守りか
介助が必要です。
・なんとなくいつもと違う様子
・方向転換でふらつく
・物を持つと不安定
・気がそれるとバランスを崩す
1つでも当てはまれば要注意です。
②迷わない判断基準
歩ける距離ではなく、
「場面」で考えてください。
特に注意するのはこんな場面です。
・朝起きた直後
・歩き出した直後
・トイレまでの移動
・夜間の移動
この中で不安に感じるポイントが、始めにクリアしておきたい場面になります。
判断をするときは私たちのような在宅介護の知識がある、専門職への相談が重要になります。
4.退院前にこれだけは確認する
一つだけでいいです。
『一番不安な場面を病院で確認する』
シンプルかつ重要で、
私もご家族に伝える際は
ここを意識して確認していきます。
安全な環境で実際に動きを見て、
どこでふらつくのか、どこまで手を出すか
ということを聞きましょう。
これで転倒のリスクはかなり減ります。
5.まとめ
移動介助で転倒しないための
ポイントとして、
ここを退院前に準備しておきましょう。
- 最も危ない場面を知る
- 安全な病院で一度確認する
- 介助はなるべく自立に近い形をとる
- 他にも転びそうな場面を知る
- 転倒させないための判断基準を知る
ぜひ、確認しておきましょう!
〜次回予告〜
次回は
「車椅子の移動介助のポイント」
を解説します。
実は、車椅子の方が安全なケースも多いです。
どのような方が車椅子移動の対象となるのか、
車椅子の扱い方から注意するポイントまで
解説していきます。
この記事が、少しでもお役に立てると嬉しいです。
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