
現役訪問療法士です。
皆さんの家では、車椅子を使えそうですか。
ご家族が退院前に、
『移動は車椅子が一番良さそうです』
と言われて悩んでいませんか?
多くの方が
- 「自分の家の廊下とかで車椅子が通るの?」
- 「車椅子の使い方とか分からない!」
- 「どうやって車椅子の介助をすればいいの?」
と悩んでいるかと思われます。
そして、介護されているご家族の様子をみると
実際の現場では
「車椅子が入る場所と入らない場所がある」
「押し方が分からなくて楽に使えない」
というケースが多々みられます。
原因はシンプルで、
「家で使うための準備」
が十分ではなかった
ということです。
ということで、
今回は退院準備シリーズとして『車椅子介助のポイント』
をご紹介していきます。
過去記事では退院準備シリーズとして『排泄介助のポイントpart1、part2 』『移動介助のポイント』を公開しています。是非ご参考にしてください。
では早速、
『車椅子を“家で使える状態”にするための退院準備』
を一緒に見ていきましょう!!
目次
1.車椅子を家で使うための3つの主軸
家で使うには、次の3つを主軸に考えましょう。
- 環境(車椅子が家の中で動けるか)
- 操作(車椅子を安全に扱えるか)
- 判断(車椅子の使う場面が決まっているか)
この3つが揃って初めて「使える状態」になります
① 環境の準備|家の中で動けるか?
見落とされやすく、退院した後から問題となる
ことが多い『環境の準備』。
今ある家を車椅子が使える状態に
しようとすれば、
バリアフリー住宅でもない限り
リフォーム代で何十万円~何百万円
という費用がかかることになります。
ですので、退院前には家の環境が
車椅子を使える状態なのか
確認しておく必要があります。
今、住んでいるの家で車椅子の介助ができるかな?
とイメージしながら読んでくださいね。
廊下の幅は足りているか
車椅子を使うときの廊下幅 国土交通省-第3章 基本寸法より抜粋
目安は
真っすぐな廊下で80〜90cm程度
切り返しや方向転換が必要な所は120~150cm程度
が、比較的安全にストレスなく
介助できる幅になります。
やはり廊下の幅で問題になりやすいのは
人が乗っている重たい車椅子を
曲がり角や方向転換のために
何度も何度も切り返さないといけなくなること
だと思います。
結果として介助者の腰痛が悪化したり、
車椅子に座っている方の転倒リスクが上がるため
事前に必ず確認しておきましょう。
スロープの幅と安全性
車椅子が玄関などの段差がある
ところの出入りでは
スロープを使用することが一般的です。
そのため、
- スロープの幅が狭い ➡ タイヤが乗らない
- スロープが短い ➡ 急傾斜で車椅子の制御ができない
という状態になります。
これでは車椅子の介助は
非常に大変で、慣れている職員でも
かなりの力がいります。
なので「スロープの幅」や「スロープの長さ」は
必ず車椅子や玄関などの段差に合っているか、
確認しておきましょう。
家の中の動線
生活していて車椅子が通るであろう
ルートを考えておきましょう。
今の家の中でベッドからトイレや
廊下の曲がり角、家具の配置で
安全に車椅子を操作できますか?
「通れるから大丈夫」で考えていると
乗っている方の足を引っかけて怪我をしたり、
その場所を通るたびに車椅子で家を傷つける
ことになる場合があります。
大事なのは「通れるか」ではなく、
「安全に操作できるか」で判断しましょう。
② 操作の準備|車椅子の介助、キホンの『キ』
車椅子の介助の基本としては
まず、
- 『動く前』と『動いた後』はブレーキがかかっているか
- 足台に足がしっかりと乗っているか
- 手や腕が手すりから出ていないか
安全運転のためにこの3つは
介助をする上で必須です!!
また、方向転換は何度か切り返す方法がおすすめ
ですが、
必ず練習をした上でウィリー(前輪上げ)
でも方向転換は可能です。
ここを足で押し下げながら前輪を上げて
方向を変えられると、
その場での方向転換が可能になります。
更にこのウィリーは段を上がるときにも使えます。
車椅子の介助に有用なスキルですから、
マスターしておくことをおすすめしますよ!
③ 判断の準備|使い分けができるか
どの場面で車椅子を使うかは
大事なポイントになります。
ここは
病院スタッフや私のような在宅スタッフと
一緒に判断をした方が良い
と思います。
私、訪問療法士については過去記事にて紹介させてもらっています。
不安定な場面 → 車椅子
安定している場面 → 歩行
安定しているが、かなり時間がかかる場面 → 車椅子
介助が必要でも1、2歩は歩ける → 歩行
このように使い分けできるようにしておきましょう。
曖昧だと転倒につながります。
そのため使う場所は見極めておいたほうが良いです。
2.家でのチェックリスト
退院前に家で確認するべきチェックリストを作ってみました!
実際に家の中で見ながら、確認してみてください。
☑ 廊下の幅は十分か(目安80〜90cm)
☑ 車椅子で曲がれるスペースがあるか
(目安120~150cm)
☑ スロープの幅・傾斜は安全か
☑ 主な動線がスムーズに移動できるか
☑ 移動上に不要な家具や物が置かれていないか
☑ ブレーキ操作を理解しているか
☑ 手すりや足台の扱いを理解しているか
☑ 自宅の場面ごとに車椅子を使うか決めているか
【1つでも不安があれば、そのまま退院は要注意です】
3.退院前にやるべきこと
このチェックリストをもとに家の中を確認し、
車椅子の介助方法を練習しましょう。
やはり、退院前は病院などで
不安な点は必ず病院スタッフに相談です!
そして実際に車椅子を押してみる練習を
してみましょう。
これだけで、退院後のトラブルは大きく減ります。
4.まとめ
- 車椅子を家で使うための主軸となる考え方は環境、操作、判断
- 家の中の廊下幅やスロープの使用方法をチェック
- 家の中で車椅子を使う場面を事前に決めておく
- チェックリストを参考にして、家で車椅子が使えるか確認する
- 退院前に病院スタッフと準備ができていれば安全に使える
車椅子は使う場所や使用方法を十分に見極めると
非常に安全に移動ができます。
介護される側も介護する側も
負担が少なくなる福祉用具となります。
帰ってから慌てなくてもいいように、
入院中からなるべく早めに
準備と練習をしていきましょう!
この記事が、少しでもお役に立てると嬉しいです。
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